聴くか聴かないかだけじゃない!聴く「濃さ」を調節してみる

こんにちは。
心理カウンセラー&カラーセラピストの細淵です。


私たちIn-Studiumでは、多くの人に
傾聴(聴くこと)を知っていただいて、
身近な人との会話で生かしてほしいと思っています。

ところで、「傾聴、傾聴」と一口にいいますが、
どんなときでも、どんな相手でも
同じように聴けばいいというものではありません。

この「聴く」という行為にも幅があるんです。

今日のお話は、
「聴くとき」と「聴かないとき」の切り替えが苦手な人、
「聴く」と「話す」のバランスで悩んでいる人、など

日常会話で聴くことを自然に楽しむために
参考にしていただけると嬉しいです。


傾聴(聴くこと)を知ると、会話をしながら
自分が聴けているのかどうかが気になってきます。

傾聴を学んだからといって、
会話がすべて聴くだけになるということはありません。

心地よい会話のために聴こうとすることも大切ですが、
「聴かない」と決めてお休みすることで
自分自身をいたわることも大切なことなんですよ。


この「聴くとき」「聴かないとき」を切り替えることを
「傾聴スイッチを入れる(入れない)」と
お伝えすることもあります。

スイッチで部屋の明かりの
オン・オフを切り替えるように、
聴くとき・聴かないときと
自分のなかで切り替えるイメージですね。


ですが・・・

この傾聴スイッチのオン・オフだけでは、
「聴く」という行為が1種類しかないような感じがします。 

でも、違うんです。

うなずき・あいづちなどの所作、
会話の心構え・考え方などのコツやポイントを
「聴くエッセンス」として、
その会話やシーンに合わせて変化させていけば
もっと聴くことに幅が生まれます。

そのために、傾聴スイッチ以外に
もうひとつイメージを持ってみてください。

それは、バーです。
お洒落な飲み屋じゃありませんよ(笑)

こんな感じのものです。

▲図:傾聴の濃淡(強弱)▲

聴くことには、する・しない以外に、
もうひとつ「どの程度で聴くか?」という
濃淡(強弱)があります。

さきほどの「聴くエッセンス」を、
その会話にどの程度織り交ぜるかということです。


例えば・・・

他愛のない会話や冗談を言い合う会話では、
聴くエッセンスはほどほどにする。
聴いているとはっきり分かる感じではないけど、
相手受け止める雰囲気が感じられる…そんな塩梅です。

上図でいうと、右寄りのスタイルになりますね。

ところが、相手が真剣に何かを語り出した。
なんだか表情も強張っているし、何かあったのかも…。
そうなると、その会話での聴くエッセンスが
ぐーんと濃くなっていきます。

上図でいうと、かなり左に寄ったスタイルです。


傾聴には、相手の気持ちを理解する
という考えがベースにあります。
それにまつわる傾聴の作法や考え方なども
たくさんあります。

ですが、そのすべてを常に使うのが傾聴で、
ひとつでも欠けたら傾聴ではないのでしょうか。

私はそんなことはないと思います。

ちょっとした話をしたいだけなのに、
思いっきり左側の「聴きます」オーラ全開で
聴かれたら、ちょっと怖いと思いませんか?(^^;)

そんな相手の思いや会話の雰囲気を読み取って
適切な聴くエッセンスを使う。
そして、お互いに心地よく会話を運ぶ…

これも立派な傾聴ではないでしょうか。



少し話は変わりますが・・・

「調光」というものをご存知でしょうか?
室内の照明をオン・オフするスイッチではなく、
照明の濃淡(強弱)を調節する装置があるのです。


これは、くるくると回すことで
その時々に合わせた
照明の濃淡(強弱)を選ぶことができます。

私は、傾聴もこれと同じだと考えています。


日常会話で傾聴をうまく使うコツは、
その会話や相手に合わせて
聴くエッセンスを柔軟に変化させていくことです。

上記の図をイメージしながら
その時々に応じて、もっと自由に、楽しみながら
聴くエッセンスを調節してみてください。

部屋の雰囲気を照明でつくるように、
そのシーンに合わせて聴く濃さを
調節することを楽しんではいかがでしょうか。

次第に、傾聴がより自然に、
日常会話に生きてくるようになるはずですよ。