聴く習慣(2)「ながら聴き」はバレてますよ①

今日は自分の戒めも含めて、「ながら聴き」の話。

テレビを見ながら、スマホを見ながら、料理をしながら、パソコンをしながら、明日の準備をしながら…。意外と「○○しながら」というのは日常ではよくある光景かも知れません。

当然、話を聴くことにも「ながら聴き」があります。これは残念ですが、高度なテクニックというわけではありません。

この「ながら聴き」を習慣化してしまうと、会話がどんどん減ってしまうかも!?

「話したい」という気持ちをそいでしまう

最近見かけた、子どもがアニメの話をお母さんに話している場面。

その子は始めこそ楽しげに一生懸命話していましたが、当のお母さんはずっとスマホを見つめたまま「うん、うん」と適当な相づち。そんなお母さんの様子に、子どもも次第に言葉少なに・・・そして、とうとう途中で話すのをやめてしまいました。

うん、話す気失せるよね~(^_^;) 

このあとどうなる!?と気になりながらも、私はその場を離れることになったのでした…。

子どもが急に話をやめてしまったことに気づいて、今度はお母さんがちゃんと子どもを見ながらその子の話を聴いてほしい・・・そう願うばかりです。


改めて、会話ってお互いに作っていくものだよねって実感した場面でした。

次の会話も嫌になる悪循環

忙しい時に手が離せなかったり、テレビやスマホなど別に興味のあるものがあったりすると、ついそちらに意識が向いてしまう…。誰にでもあることですし、「仕方ないじゃん!」というのも分かります。

だから私も、「ながら聴き」をよくやってました。特に家族相手に。

でも、あるとき自分が「ながら聴き」をされて、とても腹立たしかったことがあったんです。
面白い話があったので聴いてほしかったんですが、相手はスマホでゲームをしながら「へー」「ふーん」「そうなんだー」という感じ…。

もうね、話す気がどんどんなくなって、話さなきゃよかった…って感じました。
そして当然、「また話そう!」なんて前向きな気持ちは起こらず、この人とまた話すのいやだな~、避けちゃおう!という始末。

それと同時に、「ながら聴きって、される側はこんなに嫌な気持ちになるんだな」と思いました。

日常の他愛ない会話の内容なんて、些細なことも多いかも知れません。でも、重要なのは会話の内容じゃないんですよ。


一緒に楽しんだり、笑ったり、ときには一緒に悲しんだり、怒ったり。
そういうことを会話の相手と一緒にしたいんじゃないでしょうか。相手との絆を深めたい。そのために、会話があるんじゃないでしょうか。


会話の役割が情報伝達だけなら、会話ひとつで一喜一憂しないですもんね。

だから、「ながら聴き」はバレる

さて、何かしながらでも“聴いている感じ”の「ながら聴き」。ですが、実際は聴けていないので、いくら装っても残念ながらバレてしまいます。


では、ちゃんと「聴いている」ときとどんな違いがあるのでしょうか。

自分が「ながら聴き」をやっていた時の経験と、身近な人たちがしている「ながら聴き」を観察していて感じたことをリストアップしてみました。

  • 機械的で抑揚のない「うんうん」「はいはい」という一辺倒な相づち
  • 相づちのタイミングが微妙にずれる
  • そもそも、顔が相手の方を向いていない
  • 心のこもってないうすーい共感の言葉を早めに繰り出す
  • 内容へのリアクションがワンテンポ遅い
  • 相手が話すのを止めると「聞いてるよ」と返す

「ながら聴き」をしている当人は、聴いているつもりなので意外と気づいていませんが、話している側になると上記のことが本当によく分かります。話しながら、「あ~ちゃんと聴いてくれてないな~」って悲しくなってくるんですよね…。

でも実は、この「ながら聴き」、相手の言った内容は理解している場合も多いんです。

だから、「聴いてなかったでしょ!」と言うと、「聴いてたよ!○○がこうなってこうだったんでしょ?」と自慢気に返してきます。
話していた側としては、そういう態度が余計にカチンと来るので、喧嘩になったりすることも…(--;)


でもね、内容理解してるよアピールもいいですが、さっきも書いたように重要なのは会話の内容じゃないんです。
「聴く」というのは相手が言った内容を正確に返すことではありません。相手が会話に乗せた想いを一緒に味わっていくことなんです。


というわけで、次回は「ながら聴き」をしちゃったときにどうすればいいか?そうならないためにどんなことができるか?を考えてみます。